ひとりの道標

結婚できないひとり専門家、ひとり力を高めよう

北の国 '98時代から現在を紐解く 名作はひと昔前に予言する

北の国から '98時代」BSフジの再放送を楽しく観たわけですが、時を経て視点の違いがまさに時代なのです。 ひとりの道標北の国から '95 -秘密-」から2ヶ月あまり。'98時代の再放送がBSフジにて6月9,10日にオンエアされました。今観るからこそ感じる時代が確かにありました。現代の抱える諸問題、特に結婚についての面白い解釈も出来るのです。 1998年といえばアジア通貨危機が起こり世紀末ブーム。バブル崩壊から数年の月日が流れ、個人的には勤める中小企業がアジア通貨危機で壊滅し、この先どうなる?と初めて将来の不安を感じた時期。 当時この'98 時代を観たとき、単純にドラマとしか捉えられなかったと思うのです。今観るからこその1998年という時代背景を理解でき、また今日まで続く諸問題が、失われた10年の後も続いているのだと実感できるのです。 ’98 時代において、時代は特徴的にこう表現されていました。
・富良野という小さな街でも、時代遅れでモノが捨てられている。 ・とにかく儲ける。生活のために家族を守るために、生き残るために何としてでも成長する。 ・結婚の条件として、相手は何の仕事をしているの?安定志向の芽生え。 ・デキ婚がフシダラと表現される。
結婚とか恋愛について、僅かに14年の間に劇的な変化をみせたデキ婚。多分当時は何とも思わなかったフシダラという表現に、仮に当時に正しい倫理観があった時代とすれば、今は倫理観を権利という名で侵食できる時代。 経済的な発展の先に求めるものは権利である。 という表現が適当かは判らないが、この’98頃に経済的に生き残りを掛けた時代だったのだとすれば、皮肉な景気のサイクルの巡りあわせに悩む今日、あちらこちらでアンバランスが生じるのはまさに時代。 そして象徴的な純がシュウの実家に挨拶するシーンは、結婚相手の条件として安定志向が求められる今日への予言?!収入が少なければ結婚できないという、今日の悩みがそのまま描かれていたのは、失われた10年が現在進行形であるかのよう。 まぁ、こんな事を考えながら観るドラマが大ヒットするとは思えず、高視聴率を獲得した理由は、やはり純と蛍のハッピーとはいえない物語の進行にドキドキし、サザエさんのように年齢を重ねない主人公の物語にはない、共に成長するという特異なドラマだったからに他ならない。 家と会社の往復は嫌だ。 そんな言葉に代表される平凡が、いかにも退屈と思えたほんの少し前の時代から、平凡とはいかに難しいものか、平凡がいかに退屈なものでなかったか、思い知らされている時代。時代とは変わるものなのか、それとも繰り返すものなのか? 時代を先読みみするには、過去を振り返ること。 なのでしょうかね~。北の国から2003 遺言は、7月7日の七夕の日、BSフジにて再放送予定。 北の国からスペシャル