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永遠の0映画化で注目される特攻隊員 遺書を読んでいいか考えたらどうだ?

鹿児島の観光地は何処ですか?と尋ねられたら、桜島霧島温泉屋久島もいいね。ところが行ってみたい所とか訪れたい場所のように積極的な意志が加わると知覧特攻平和会館と考える旅人は多いのではないでしょうか。 [caption width="468" align="aligncenter"]知覧特攻平和会館 隼 知覧特攻平和会館 隼[/caption] 2013年12月に公開予定の映画『永遠の0』、7月公開予定の映画『終戦のエンペラー』、そしてスタジオジブリの『風立ちぬ』が夏公開予定など、2013年は注目されそうな戦争をテーマにした映画が多いのです。永遠の0については、作者である百田尚樹さんと鹿屋を旅するツアーが発売(日本旅行)されるなど最注目の作品になりそう。

特攻隊員の遺書を読むべきか悩んだらどうだ?

永遠の0が映画として注目を集めると、鹿児島では知覧特攻平和会館が行ってみたい所として話題になる。既に鹿児島の観光スポット化している知覧特攻平和会館なのですが、私自身のはじめての知覧特攻平和会館は、 「鹿児島へ帰ってきたのなら知覧特攻平和会館には行け。遺書を読んだら泣けてくる。」 という上司の勧めでした。友人の案内などで都合3度訪れた知覧特攻平和会館ですが、一度たりとも特攻隊員の遺書を読んでいません。いえ、読むことができませんでした。施設としても展示しているのですから、平和を考えるとかね。そういう意味合いもあるのだとは十分に理解しています。それでも、どうしてもそれだけは読めませんでした。 大切な人に宛てた恐らく最期になる手紙。大切な人とは、肉親であり恋人であり兄妹であり友人であり。手紙の検閲のある時代とは言え、大切な人がそれを読めば何らかの思いが伝わるはずのもの。それを展示品だからといって、言葉の裏の思いを感じ取れるからといって、平和について学べるからといって、見ず知らずの他人が果たして読んでいいものだろうか? 悩むよな。 これが最初に訪れた知覧特攻平和会館での、特攻隊員の遺書を前にした正直な気持ちでした。それを読んで何かを抱える勇気もありませんでした。大切な関係だからこそ感じる世界があるわけで・・・という理由で、特攻隊員の遺書を読むことできなかったのです。 歴史とは想像と自己顕示。 歴史はそれを語る人によって、幾つもの物語がつくられます。しかし、歴史の当事者の言葉を見ることはなかなかありません。特攻隊員の遺書は、そう考えると非常に重要であり資料的な意味合いもあります。一方で、夫婦や恋人でもメールを見せ合うことは少ないと思います。親子の間でもないですよね。まして他人にメールを見せることなど、皆無といってもいい。 歴史の資料だから、平和を学ぶためだから、泣けると聞いたから・・・。 特攻隊員の遺書を見てはいけないとは全く思いません。入場料もしっかり取られるわけですから、商業的には展示品を見ることに何の問題もありません。しかし、どうしようかな?と少し考えることは必要だと思います。その手紙は誰が誰に宛てたものだと言うくらいのことは、最低限度のマナーとして自問していいのではと強く思うのです。 映画『永遠の0』 日本旅行:『永遠の0』鹿児島の旅(PDF)
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