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三浦雄一郎はヒーロー!でも、彼は老いた人の標準ではない

三浦雄一郎さんが史上最高齢80歳でエベレスト登頂に成功。快挙であり凄いことだと判っていても、今ひとつ山登りに何かを見出だせない私には、その年齢だけが頭の中を駆け巡るのです。 老いの標準 しわのある女の手

人間50年 信長のあの台詞 日本人の平均年齢の推移

人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり 本能寺の変を再現したドラマで、必ずあるシーンといえば自らの最期に舞う織田信長の姿。その時必ずこの台詞が登場するのですが、人間50年が戦国時代の日本人の平均寿命を表現しているわけではないことを、明治時代の完全生命表(明治24~31年)の値である男42.8歳、女44.3歳からも伺えます。 今年の5月に世界保健機関(WHO)が発表した日本人の平均寿命は男性が79歳、女性は86歳。三浦雄一郎さんが80歳でエベレスト登頂成功したことがいかに快挙なのか判りますが、下山後の年齢に関係なく誰でも再チャレンジ出来るというコメントは、余計だったのだろうと思うのです。

何故ヒーローは老いた人の標準ではないのか?

何歳になっても夢を追うのは全く自由。ただし、高齢で体が資本の人が夢を達成したからといって、皆にそれを呼びかけることに非常な違和感を感じるのです。 身近な老いた人といえば親になるわけですが、ヒーローより若い私の父親はこの快挙の時期を同じく入院し、やはり人は65歳を超えた辺りから様々な衰えを隠せない。日頃の努力もありながら体が資本で飯を食べられる人には、到底考えも及ばない老いを普通の人は感じるのですから。 いや、ヒーローには体力以上の逞しい精神力があることを想像します。若さの秘密こそ精神力の維持だと思うのですが、普通の老いた人にとって、困難に立ち向かうなどといった強靭な精神力の維持は難しいと思われ、だからこそ普通の人だと思うのです。自分の夢・道を進むことが、あるいは生きるために働くといったスタイルに比べて、ストレスをストレスと感じない何かがあるのかも。 多分、幸せなんだろうな。

それを言っちゃおしまいよ 人間50年の基本

平均寿命の急速な伸びは昭和30年代から。食糧事情の改善と医学の進歩がそれに寄与していることは承知の事実でしょう。それでも、生き物としての人間の寿命は、恐らくそれほどの伸びはないのでしょう。 それでも長生きしてもらいたい人がいる。 その結果が少子高齢化。とは思いませんが、医療関係の仕事に従事する先輩は、すまないが患者さんはお客さんと言います。医療に従事する全ての方の思いではないことは理解していますが、反面それは事実だろうと思います。結局どの産業もお金を産まないことには発展しない。 三浦雄一郎さんは凄いですよね。でも、80歳といえば老いた人であるということ。あなた若く見えるわね!あなたがもし美魔女でも、それはそう見えるだけ。若く見られることと、若いことは違うという認識が、ご本人に必要だと思います。そう年齢の変わらぬヒーローと父を比べてもしょうがないのだけれど・・・。

参考リンク

完全生命表について:総務省統計局 第2章 人口・世帯 2-35完全生命表 http://www.stat.go.jp/data/chouki/02.htm