ひとりの道標

結婚できないひとり専門家、ひとり力を高めよう

生涯未婚率とアベノミクス

人口問題研究所と聞くと、やれ人口が減るだの生涯未婚率がどのだのと少々ネガティブなイメージですよね。そう思うのは自らがその対象だから・・・に間違いないのですが、このほど人口統計資料集(2013)が公開されました。都道府県別統計でみる生涯未婚率と完全失業率についてまとめてみました。 [caption width="468" align="aligncenter"]ブーケの女性 ブーケの女性[/caption] 男女共に生涯未婚率の推移をみると、急激な伸びを示す期間があります。2000年から2010年にかけて全国平均で男性が12.57%から20.14%、女性が5.81%から10.81%へ。傾向としては1990年から増加の一途を辿り、バブル崩壊後から始まる失われた20年とリンクします。

結婚しない理由が生じて、結婚出来ない理由へ

仕事がない、給料が少ないなど経済的な不安定要素が、結婚できない大きな理由になっています。それを見事に裏付けする生涯未婚率の増加なのですが、都道府県別の生涯未婚率と完全失業率の相関関係はありそうでない感じですね。特に東京においては、完全失業率は全国平均より低いものの、生涯未婚率がダントツとも言える高さなのですから。

2010年 生涯未婚率と完全失業率 このグラフのデータ一覧

つまり日本で一番人口が多い都道府県で、生涯未婚率が高いという結果なのです。人口の多い都道府県ベスト5でみると、生涯未婚率(男)の全国平均20.14%(男)を超える地域が4ヶ所。経済好調の愛知県と失業率の高い大阪が混在するから、ますます経済と人口と生涯未婚率の相関関係を見だすことが、素人には難しいのです。 ■ 人口の多い都道府県の生涯未婚率(男)(都道府県、生涯未婚率:2010年データ) 1.東京都 (25.25%) 2.神奈川県(21.97%) 3.大阪府(20.35%) 4.愛知県(18.67%) 5.埼玉県(21.02%) しかし、人も多いから出会いもありそうだし、インターネットの普及や利用率も高い大都会で、生涯未婚率が高い傾向なのは驚きですね。楽しいこともありそうだけど、寂しいと感じるとこの上なく寂しい大都会なのでしょうか。いえ結論としては、 アラフィフ世代がバブル崩壊最大の被害者である。 とも考えられるのです。勿論、今現在アラフィフ世代であるということではなく、20年前から動きのない世代になってしまったのではないでしょうか。それが継続しているという現実に、親の背中を見て育つではありませんが、先輩の背中がやけに寂しく感じたのかもしれません。 アベノミクスに大きな期待が集まっています。生涯未婚率の増加は確かにバブル崩壊と時期を同じくしていますが、戦後最大の好景気と言われたのがつい数年前。これは全く生涯未婚率を好転させてはいませんし、統計上の好景気は庶民とは程遠い実態。でも、それ以上に結婚できない何かが、全世代の中の何割かに迫り来る事実。 言葉を悪く言えば、男の欲望を解消する方法が20年前から莫大に増えた。 愛が永遠でないことを、身近で感じるようになった。 ひとりで何でも出来るようになった。 色々ありそうですが、一番は怖いことが少なくなったからかな。でも、今は違う世の中になりつつあります。以外とこんな心配はいらない気もするのですが、どうでしょうか? 国立社会保障・人口問題研究所 人口統計資料集(2013)