ひとりの道標

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偽装にヤラセが繰り返させる理由は、半沢直樹で理解できる

信じていたことが裏切られる。正確には、考えてもいなかったが問題が起き、腹立たしいことが立て続けに起こった。ちょっぴり自尊心を傷つけられた人もいるのではないでしょうか。

本当なのだろうか?その時良ければいい。よくある話じゃないか。

ホテルのレストランメニュー偽装に、クール宅急便の常温での仕分け。テレビ局のヤラセ騒動と、問題が続く時は続くものです。しかも、ちょっと昔に、更にちょっと昔に聞いたような話ばかりで、これは日本が抱える構造的な欠陥があるのではないか?

なんてね、大きく物事を考えてみると、案外正解かもしれないな。

ヒントは半沢直樹にあり。流石21世紀最高視聴率ドラマ。

半沢直樹では凡そ金融の世界に縁遠い人々に、こういう事もあるんだよと教えてくれました。ひとつに金融庁検査や裁量輪店(本店による内部監査)など、いわゆる監査と言われるものです。

半沢直樹では、金融庁検査で必死に資料を隠すシーンがありました。監査とか審査が行なわれる時、そのためだけに必死に仕事(資料隠し、資料作りなど)をした記憶がありますよね?

金融の世界だけではない、製造業もそうだ、多分、ホテルも宅配業者もテレビ局も、その時だけ良ければ良いという感覚があるはずなのです。それはつまり、上の人間は知らないことであり(あるいは目をつぶる)、現場はその時だけ(監査や審査、または大事な顧客の時だけ)、決まったことを日常的にやっているかのように装う事。

製造の現場でも特別に装うことは当たり前

製造業に携わっていたことがあります。社内の監査やISO(国際標準化機構)の審査など、年に数回ほどお客様やお偉いさんがやってくることがありました。

半沢直樹ばりに見られるとマズイものを隠し、いつもより念入りな清掃、そして特別な装いをさも日常かのように装います。

当時若かった私は疑問を持ちました。誰かが来た時だけ特別なことをする。嘘じゃないかってね。でも、誰もそんなことは聞き耳を持ちません。だから仕方なく、それで審査の通るISOも大したことがないなと、この若造は規格ブランド商法なんだろうと思いました。

偽装とはやっているように装うこと。特別な時だけ正常になる。

日本では、世界でもそうなのかもしれないが、特別な時だけ正しいことをするように求められます。日頃、少々手を抜いても、生産やサービスが上手く回るから不思議ですよね。

正しいこと、決められたことを日常的に守ると、多くの人が今の数倍の疲れを感じることでしょう。本当は8時間も仕事で決められたことを守れば、ヘトヘトになるはず。これを読むあなたも理解していると思います。

食材の経費を削減せよ!なんて言われてたんじゃないんですかね。私も料理が大好きなので、好き好んで違う食材で料理するとは思いたくない。最高のものを、最低の価格でなんて難しい宿題があったのでしょう。

少し振り返ると、肉の偽装、建物の偽装、偽装請負などありました。無くならない問題は、やはりその時だけ正常であれば良いという、変な感覚があるからだと思います。それはお客様に目が向いていないということであり、現場が恐れるのは上司であり、会社が恐れるのは監督官庁であり審査機関なんですね。

 

だから、半沢直樹みたいな人間は疲れるんですよ。そして、事件には腹が立つけど、なんとなく判る気がするのはダメなのかな。

   

京都料亭渡月亭のおせち料理 古都の組重

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