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ななつ星in九州が走りだしたJR九州の数奇な運命

ななつ星in九州が2013年10月15日から運行を開始しました。2012年3月にはまだベールに包まれた情報しかなく、それでも同年5月には「ななつ星in九州」として正式発表され、まさに急ピッチでプロジェクトが動きました。

  ななつ星in九州

 JR九州の数奇な運命 

JR九州の最大のプロジェクトこそ九州新幹線の全線開業でした。2004年に鹿児島中央新八代間で部分開業し、7年後の2011年3月12日にいよいよ博多まで全線開業を迎えました。

それは、東日本大震災が発生した次の日でした。記憶の中で繋がる九州新幹線の全線開業日は311の次の日なのです。この記憶の繋がりだけは一生切れることはありません。

ななつ星in九州が2013年10月15日に運行開始

ななつ星in九州の運行開始が全国ニュースで取り上げられ、それはアベノミクスの象徴かのように、デフレを吹き飛ばす豪華さを全面に出した寝台特急。まさに、デフレまっただ中に練られたアイディアは、JR九州だけのものだった。

100円ショップで商品を買う人は沢山いるが、全く買わない人もいる。産地にこだわりいい食品にはお金を出す人も沢山いるが、全く出さない人もいる。ひとり56万円というななつ星の料金も、ヨーロッパに飛行機のファーストクラスで行こうとすれば足りなかったりする。

クルーズトレインという新しい旅の提案こそ、56万円の価値。どう感じるかは個人で違うのは当然で、個人的には九州ではじまったことが胸アツなのであり、鹿児島がそのコースにある事が嬉しかったりする。

ななつ星in九州もまた、数奇な運命なのだろうか!?

九州新幹線全線開業は、東日本大震災の次の日だった。偶然にも記念に撮影され作られたCM「祝!九州」が話題になり、ななつ星in九州でも沿線からその風景が再現されている。

ななつ星が現れた鹿児島県の隼人駅には、実に2,000人もの人が集まったそうだ。平日のあの時間なら、誰もいないに等しい隼人駅にである。ポピュリズムは確かに存在すると確信できたこと、人々は動くんだと感じる出来事だった。

さて、ななつ星in九州が動き出したその日、漫画家のやなせたかしさんが亡くなったニュースが流れた。次の16日は伊豆大島で大変な災害が起きた。勿論、ななつ星にもJR九州にも関連はないのだが、記憶に刻まれるという繋がりがまた生まれてしまった。

JR九州が目指すは株式上場

九州新幹線が全線開業し、新たな観光の提案クルーズトレインも走りだした。2016年までに株式上場を目指すJR九州は、経営状態も去る事ながら様々なチャレンジが目立つ。中でも本業が活発なので、上場近しと思う人は多いかもしれない。

ななつ星in九州肥薩おれんじ鉄道路線を走るべきだ

最後に、ななつ星には残念なことがある。九州新幹線の誕生の裏に第3セクターとなった路線がある。会社が違うからという理由だろうか、鹿児島本線でも見事な景観を誇る海岸線を、ななつ星は走ることが出来ない。

第3セクターは厳しい経営環境にあるが、おれんじ食堂もまた人気の列車の旅だ。オレンジ食堂もまた肥薩線を駆け抜けて欲しいし、JR九州はその程度の太っ腹を見せて欲しい。

過密ダイヤとは言えない路線が多いのだから、色々やれることはあると思う。

■ 参考リンク

クルーズトレイン「ななつ星in九州」|JR九州

肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」ORANGE RESTAURANT EXPRESS